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実地医家画像診断協力推進協会

Practitioner's Association for Medical Imaging Collaboration (PAMIC)

ご 挨 拶 Greeting PDFファイル

協 会 の 設 立 に 向 け て

ご 挨 拶                    
 この度、診療所を運営する開業医の先生のお手伝いをさせていただきたく、実地医家画像診断協力推進協会(Practitionerユs Association for Medical Imaging Collaboration : PAMIC:)を設立することに致しました。先生の保有されているX線検査装置を積極的に使用していただき、そこから得られる情報をより有効に活用し、その読影責任を私共放射線科専門医と共有させていただこうという主旨の会です。胸部や腹部の単純X線写真の持つ情報量は非常に大きなものがありますが、それを詳細に読影するためには特別な訓練が必要です。あらゆる手段を使って先生によりよい情報を迅速にお届けするばかりではなく、双方向で連絡を取り合い、患者様のために最善の医療を提供するシステムを先生とともに作り上げて行こうとするものです。遠隔画像診断の方法を使いますが、最大限先生のお手を煩わない方法を提示し、ご相談の上先生の固有の状況とニーズに合わせて、システムを構築し、運用する所存です。

沿 革
 私の父は現在の東京都下西東京市(旧保谷市)で内科診療所を経営する開業医でした。私は父の意に反して放射線科医の道を選び、米国に10年も在住することになってしまいましたが、40歳で帰国したときには父の跡を継いで開業医になっても良いかなと考えており、レントゲンの装置なども買い入れ、週末には自分で透視検査をしたり、種々の単純写真を撮って自分で現像し読影しながら父を手伝っておりました。父が倒れて入院したときには約3ヶ月間病院勤務の傍ら診療所で父の代診を行っていました。その後教職に就くことになってしまいましたが、私の心の中の医療の原点は開業医であります。第一次医療機関としての診療所が我が国の最も重要な医療の最前線であり原点でもあります。
 帰国して、電車通勤をしていたときに車窓から多くの診療所の看板が目に付きました。このほとんど全ての診療所でレントゲン検査が行われており、それが私ども放射線科医の目に全く触れないまま医療が行われるのだなあと、愕然とした気持ちになりました。我が国以外世界中どこの国でも、レントゲンの検査はその専門家である放射線科医が責任を持って実施しており、それが当たり前の世界に10年もいたためです。そのようなサービスが受けられず、全て自分で判定しなければならない日本の実地医家は本当に大変だと思い、いつか自分の手で全部読んで差し上げたいと心に誓ったものでした。
 その後縁あって、大学の放射線医学講座の主任教授にまでなってしまい、種々の学会の会長や理事長まで務めさせていただきながら、その理想をかなえることが出来ませんでした。
 しかしながら、私の弟子をはじめ多くの意欲ある放射線科医が多くの臨床医のご理解のもとに、遠隔画像診断の技術を用いて、放射線科医による読影サービスのシステムを築き、国際的に通用する医療改革を実践しつつあります。大変喜ばしいことと心から応援しておりますが、私の最も気がかりとしている診療所における単純X線写真の放射線科専門医による読影については、いまだ解決の糸口さえ見つかっていない状況です。

現 状 と 目 標
 単純X線写真は医師であれば誰でも読めるものであると何となく思われているようです。しかしながら先生方が一番おわかりのように、画像診断で最も難しいのは単純写真の読影です。昔は偉い先生がそうだと言えばそれでお墨付きがでたと最終決定とすることが出来ましたが、今はCTやMRの時代であり、そうは行きません。我々超ベテランが読影しても読影ミスは直ぐに新米の放射線科医からでも指摘されてしまうことになり、単純写真の読影には恐怖さえ伴うことになってしまいました。しかしながら、第一線の医療機関である診療所においては単純写真の持つ医学的な情報量の大きさは非常に重要です。特に疾患の可能性の除外診断には非常に有効であり、もっともっと有効に使われるべきです。放射線被曝を懸念する声がありますが、私は現在も日本医学放射線学会の被曝防護委員を務めており、私の専門としてきた小児放射線診断学の分野でも、被曝の防護については国際的にも専門家として認められ、小児の被曝防護についての国際原子力委員会(IAEA)での会議に世界中の小児放射線科医の三人の内の一人として本年2月に召集されました。米国のFDAのホームページに掲載されていますが、胸部単純写真1枚の被曝量は頭部CTの100分の1、腹部CTの500分の1であり、自然放射線被曝の2.4日分です。この程度の被曝量をおそれて医療に必要な有効な情報が得られないことの方が問題であり、その結果被曝量の非常に大きな検査を多用する結果になってしまっているのが我が国の現状です。一般病院で行われる胸部のCT検査のなんと75%以上も胸部単純写真が適切に読影されていなかったためとの報告も耳にはさんだこともあります。我が国では医師であれば、単純写真は当然読影出来るものとして扱われていますが、これは単に第一線の臨床医に全ての責任を押しつけていると言うことではないでしょうか?
 私はこの道の専門家の一人として、先生方へのそのようなストレスと責任をともに共有することで少しでも先生方のご負担を軽減できればと念願いたしております。
 この様な主旨に賛同し、参加していただける放射線科専門医の仲間も沢山おります。私自身がまずはじめることによって、その先生方と広く協力体制が出来てゆくと考えており、我々の側も、再教育をお互いに行いながら、先生方のお役に立ちたいと念願いたしております。

お 願 い
 ご存知のごとく、診療報酬の中で、単純X線撮影の評価は高いものではありません。価格の割に読影が困難であり、十分な読影サービスを行える放射線科専門医の数が非常に限られており、それが既存の読影サービス組織が実施していない大きな理由です。私どもベテランの放射線科専門医は、かなりの数のX線写真を正確に読影することが可能です。そのためには、効果的なシステムの導入も必要です。したがって、なるべく多くの先生方にご参加いただき、その費用を皆で分担するという考え方で、進めてゆきたいと考えておりますので、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
 なおこのシステムを用いた読影支援サービスについては、単純写真ばかりではなく、CTやMRI等についても、ほとんどそのまま共用できますので、ご利用下さい。

ご挨拶PDFファイル